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いつのまにかみんな着ているユニクロ

フリースが大ヒットしたユニクロ

ユニクロ(UNIQLO)といえば、日本発のアパレルブランドとして有名です。
「ユニーク・クロージング・ウェアハウス(Unique Clothing Warehouse)」の略がユニクロで、質が良いカジュアルファッションを入手できるのがメリットです。
ユニクロが創立されたのは1974年9月2日のことですが、人気が確立されたのは、フリー素材が大ヒットした平成10年(1998年)のことでした。

当時、世相的にフリースのアウターは安いものでも10,000円前後が定価でした。
ところが、ユニクロフリースのアウターはを1,900円で売り出したのです。
2000〜01年・秋冬シーズンには2600万枚のフリース素材製品を販売し、一種の社会現象にもなりました。

ファッションの固定概念を変えたユニクロ

ユニクロのメリットは、ただ単に安いだけではありません。
品質的にも研究を重ね、専業メーカーに引けを取らないクオリティの製品を適切な価格で販売しています。
ユニクロはスケールメリットが大きいため、素材の仕入れ値を極力抑えることができます。
このため、高品質のアイテムでも消費者に安く提供できるシステムが整っているわけです。
ユニクロのような調達力が整っていない他のメーカーであれば、定価が10,000円を超えてしまう製品でも、ユニクロの場合には3,900円などの価格で提供することが可能なのです。

価格的な問題はもとより、ユニクロではトップデザイナーとの協業にも力を入れ、話題を博しています。
2009年にはジル・サンダー(Jil Sander)とのコラボによって「プラスジェイ(+J)」を発売しました。
さらに、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)など、世界中のトップデザイナーと協業することによって、ファッション業界を驚かせています。

フランスのブザンソンで生まれたクリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)も、ラコステやジャン=ポール・ゴルチエ、エルメスのデザイナーを経た後、2015年にはユニクロとのコラボレーションに参加して話題になりました。
このコラボによって、ユニクロのファッションはさまざまな業界の人たちから注目を浴び始めます。

ユニクロが成功した背景には、「服に興味がない人」をターゲット設定にしていることが挙げられます。
ブランドに興味がない人でもカジュアルにさっと着れて、さらにおしゃれに見える点が重宝されたのです。
シンプルで質の良いアイテムはインナーにするのにも最適で、ブランドにこだわってアイテムを選ぶおしゃれな人たちの間でも多大な人気を博しています。