ボディコンの特徴
ファッションは、時代によって移り変わる特徴があります。
現在では当たり前のファッションでも、何年か前の概念からすれば、奇妙に見えることも珍しくありません。
日本の歴史をたどっていても、時代によってさまざまなファッションが流行してきたことがわかります。
中でも特に印象的なの、バブル時代に流行した「ボディコン」でしょう。
バブル時代といえば、1985年から1991年にかけて起こった日本独特の経済的な動きです。
このバブル時代には、大都市を中心として土地の価格が急上昇し、強引な「地上げ」なども行われました。
就職面でも売り手市場が全盛となり、日本の経済は完全な上向きとなっていました。
このような時代にはやったファッションが「ボディコン」です。
ボディコンというのは「ボディ・コンシャス(body conscious)」の略で、主に身体を意識してボディラインを強調したニットのワンピースなどのことを指します。
もともとは、1981年のミラノコレクションで発表されたアズディン・アライアのドレスがボディコンの発祥で、80年代に大流行しました。
ボディコンが流行した理由
ボディコンは、タイトな膝丈のスカートと太いベルトで締めたウエストラインが特徴です。
アズディン・アライアがボディコンを発表して以来、トレンドに敏感な女性たちは競ってボディコンを日常のファッションに取り入れるようになりました。
本家であるアライアの他に、ジュンコ・シマダやピンキー・アンド・ダイアンなどがボディコンをデザインに取り入れるようになります。
ボディコンは単なる洋服のデザインにとどまらず、流行に敏感な女性たちの日常生活にも影響を及ぼすようになります。
ボディコンを着こなすためには、ワンレングスのロングヘアを組み合わせる必要があります。
ワンレングス(ワンレン)をキープするために朝のシャンプーが大流行し、外出前に朝シャンをする女性が激増しました。
資生堂からは、朝シャンにぴったりの「モーニングフレッシュ」なども発売されました。
ボディコンに合わせた朝シャンは1987年の「新語・流行語大賞」にも選ばれるほどポピュラーなものになりました。
バブル時代は、女性の社会進出や自己表現の機会が増えた時期と重なっています。
ボディコンは女性の体を強調するスタイルであり、自己表現やセクシュアリティの表現手段でもあります。
社会進出を果たした女性が自分の体に自信を持ち、自由にファッションを楽しむ姿勢が、ボディコンの流行を後押ししたことは間違いありません。
また、ボディコンは西洋のポップスターやセレブリティが愛用していたスタイルのひとつであり、その影響を受けて日本でも流行したことが考えられます。